筆跡診断とは
筆跡診断とは、書いた字からその人の性格や心理状態を判断する性格診断方法の一つです。
皆さんは
文字は人なり
という言葉を聞いたことがあるでしょう。
汚い字は何となくこの性格の印象、綺麗な文字はこんな性格と知らずのうちに判断していたことはありませんか?
筆跡診断は数万件のサンプルを元に、字の書き方と性格とを調べ統計としてまとめた心理学問です。
文字の書き方を72個に分類して性格を判断
現在、筆跡心理学は、具体的に72個の筆跡特徴を定め、字の書き方をその72個と照らし合わせ、どのような筆跡特徴が出ているかを判断します。
より詳細に解説すると、
書いた用紙と字の書き方の配置・レイアウトをまず見ます。
これを「章法の筆跡診断」と言います。
同じ字を書いてもらうとこれだけでも皆さん、千差万別です。
例えばこんな風に同じ文章でも、違いますよね?
ハガキという1枚の用紙に文字をどう配置するかが全く異なるのがよくわかると思います。
次に、一つ一つの字を詳細に見ていきます。
角ばっている字なのか、丸い字なのか、偏と作りの間の距離が広いか狭いか、縦線と横線の交わり方、払いの長さなどを確認します。
例えば、同じ「大」という字でも随分と違いますよね?
左の「大」は少し右上がり、そして左払いがやや長いのに対し、右の「大」は右払いが長いですよね。
また横棒から突き出る部分の長さも両者は違います。左の「大」は一般的書き方より短いので、
「頭部長突出控え目型」という筆跡特徴が取れます。
この字は、目立つことが嫌いで周りを見てから意見するタイプです。
この1文字ずつ字を見ていく診断を「1文字ずつの筆跡特徴ピックアップ」と言います。
筆跡アナリストはこれらの情報を元に文字の書き方からその人の性格を読み取ります。
それでは、具体的に文字の書き方から性格をどのように読み取るか見ていきましょう。
筆跡診断用紙に書いた文字の書き方から筆跡を診断していく
当スクールでは、A4の診断用紙に以下の情報を書いてもらって診断します。
実際の診断用紙はコチラです。
この用紙には以下の宛先と差出人が書いてあります。
郵便番号:702-4913
宛名:
東京都大田区平井神門市三丁目十四番地九号
国岡 陽明子様
差出人:
青森県左薬職連郡小見美村二百番
中魚 藤代
この架空の住所とお名前、さらにご自分の住所、お名前を書いてもらってすべての文字の書き方を見て性格を判断します。
書いた字のサンプルは多ければ多いほど筆跡診断はしやすくなります。
先ほどの例ですが
このように同じ文字を書いてもらっても全く書き方が違うということがお分かりいただけるでしょう。
ハガキの住所が右寄りになる文字の書き方は、引込み思案の性格
診断用紙の右側にハガキコーナーがあります。
このハガキには
「自分がハガキを出すとして、自然なふうに、いつもの自分で郵便番号、宛名と差出人を書いてください」
とお伝えします。
まず、先ほどのレイアウトの書き方から性格を読み取る「章法の筆跡診断」をしてみましょう。
この方は、住所や名前が随分と右側によっています。
この特徴を「行右寄り型」と言います。
このように文字を書く場合は、性格が前向きというより後ろ向き、未来を見るより、過去を見る性格です。
プラス思考ではなくマイナス思考、社交的ではなく内向的な性格。心配症で積極的に前に行くことを好みません。
もし住所の字の書き方がハガキの左端スレスレに合ったらかなりこの性格が濃く現れるでしょう。
ただ、誤解しないでいただきたいのは性格に良いも悪いもありません。
その人の「思考の傾向」がそうというだけです。
ですから、メリットとデメリットがあるだけです。
この字を書く人のメリットは
- 物事を慎重に判断する
- 控え目で人とぶつからない
- 和を大事にする
- 熟考することができる
こんなことが言えます。
住所の字がハガキの下に行くに連れ小さくなってしまう書き方は一途な性格
皆さんはたまに見かけませんか?住所が長い場合に下の方の字が小さくなって強引に1行で収めて書くような方を。
筆跡心理学では、1行に強引に抑える字の書き方を「非改行(ひかいぎょう)型」と呼んでいます。
このように文字を書く人は
- 一度やり始めたら止まらない猪突猛進タイプ
- 一途な人
- 計画するより先に行動をしたい
- 一度決めたら心変わりしにくい
- やってみないとわからないという気持ちが強い
このような性格です。
逆に改行が早すぎる人もいます。
こんなケースです。
このように字を書く人は「早め改行型」と言い、
- 気持ちの切り替えが早い
- 一つのやり方にこだわらない
- 身のこなしが早い
- 変わり身の早さがある
こんな性格傾向を持っています。
文字と文字の間が広い書き方はとってもマイペース
一つ一つの字が通常より離れている場合、「字間アキ型」という筆跡特徴を取ります。
例えばこんな字の書き方です。
左のほうが早め改行型、右はそうではない場合の例です。
このような字からは
- 自分のペースで物事を進めたい
- 物事を素早く進めるのは苦手
- ゆっくりと落ち着いて行動したい
- よく考えてから自分の意見を言いたい
- おっとり
このような性格が分かります。
字と字の間が広い書き方の人は話すスピードがどちらかというとゆったりしています。
また、NLP(プロが使うコミュニケーションスキル)の分類で言うところの体感覚派タイプの方に多いです。
- 体感覚派
- 触り心地やその場の空気感、全体の雰囲気、心地よさなど体感覚を使って分かる情報を第一の自分の判断基準にするタイプ。
このように「章法の筆跡診断」によって用紙と文字の配置の仕方から性格特徴を判断します。
「章法の筆跡診断」は全部で25個あります。今回はそのうち3つを紹介しました。
本来はこれら25全てをチェックしてどのような筆跡特徴が現れているかを確認します。
口という漢字の左隅が開いている書き方の人は人見知りしない
この例のように1画目の縦線と2画目の横線が交わる部分が開いて字を書く人は人見知りしません。
1画目の縦線と2画目の横線が交わる部分を接筆部と呼び、この字の書き方を「接筆開(せっぴつかい)型」と言います。
性格の特徴としては、
- 社会に対して自分の心を開いている
- 人見知りしない
- 社交的
- 人に対して偏見を持たない
- 自分から相手に関わろうとする
ということが挙げられます。
あなたの周りにもいませんでしょうか?、偏見なく人を受け入れられる人が。
そのような人は この接筆開型を持っている人が多いです。
逆に接筆部がピタッとしまる文字の書き方をしている人はこの性格と真逆になります。
- 人間関係より仕事に意識がむくタイプ
- 人見知りする
- 相手をまずは疑ってかかるので騙されることが少ない
- 自分から心を開こうとはしない
このような性格になりがちです。
ハネを書かない人は同時作業が得意な課長タイプ
漢字にはハネがありますよね。
しかしハネを無視して全く書かない、もしくはほんの気持ち程度にハネて書く人がいます。
こんな例です。
このような文字の書き方をする人は、マルチタスクタイプです。
同時に幾つものことが並行してでき、テキパキと作業が早い人に多い字の書き方です。
性格特徴としては
- 同時に複数のことが出来る、したい
- 判断を早く付けたい
- すぐに行いたい
- 割り切って次のことに素早く着手したい
- 物事を7割で片付けて次へ進みたい
こんなことが挙げられます。
一方、文字にハネがある場合、必要以上に強調して書く人もいます。
こんなように。
このような方は
- 物事は120%やってから次へ進みたい
- 何でも最後までやり通さないと気が済まない
- 責任感がある
- 信用・信頼される
- テキパキ・素早くより確実性を好む
こんな性格特徴があります。
いかがでしょうか?この接筆部とハネの例は、「1文字ずつの筆跡特徴ピックアップ」の例です。
1文字ずつ、どうなっているかを判断する材料は全部で50個あります。
プロの筆跡アナリストは、書いてある文字から合計72個の章法と1文字ずつの特徴ピックアップを照らし合わせ文字を書いた人の性格を分析していきます。
文字の書き方さえわかればその人がいなくても性格がわかるので、
自分が知らない人、過去の戦国武将、著名人など会ったこともない人の深層心理がわかってしまうのが面白いところです。
また実生活では
- 婚約者の筆跡
- 部下の筆跡
- お客様の筆跡
- 自分の子供の筆跡
- 面接応募者の筆跡
などを見て、どのように対応したら良いか、どう接すればよいか、今後も関わっていくべきかどうか等のヒントになります。
文字の書き方で性格がわかる筆跡診断のまとめ
以下、字の書き方による性格判断のまとめです。
- 文字の書き方を72個に分類して性格を判断します
- 診断には「章法の筆跡診断」と「1文字ずつの筆跡特徴ピックアップ」があります
- 文字の書き方さえわかればその人がいなくても性格がわかります
文字から性格を読み取る面白さが伝わって頂ければ幸いです。